○経営革新と言っても、事業革新と言っても、経営状況が悪化してからのコンサルティングに「魔法」はない。悪化は、やるべき肝心なことを抜かっただけのこと。
それを的確にやるだけのこと。しかし、これが一番難しい。
○経営とは究極的に2つの言葉で言い表わせる。1つは「決断」である。今この時に決断しなければ、次の時にはさらに難しい決断を迫られる。勇気を持って決断せよ!
2つは「コントロール」である。どんなに早いボールを投げる投手でも、ノーコンではプロで通用しない。事業をしている以上はプロである。事業をコントロールする方法を身に付けよう!
○経営者に後継者が居る場合は、一日も早く経営の任に就けましょう。どんなに優秀な後継者でも、経営は経営者になって初めて勉強が始まる。経営者の促成栽培はできない、時間がかかる。
50歳以上の経営者で、後継者問題に手が着いていない企業には明日は来ないかも知れない。
○決算は通常一年に一回、半期で仮決算する企業もある。経理資料は月度で作成しているが外部任せで、二ヶ月遅れで平気の企業がよくある。このような企業は経営数字がつかめていないので経営がいいはずもない。今、生き残れる企業は月度は当たり前で、一週間単位をさらに日々決算状況にしている企業だけだろう。経営環境は日々変化する。変化に対応できるよう経営数字を把握できるようにしなければいけない。
○成功体験は邪魔になる。特に経営建て直しには、必ず邪魔になる。明治維新以来の近代化路線で、誰も今のような経済状況を経験していない。過去の成功体験で経営難を乗り切ろうとするから、余計に経営難になって行く。
一番の解決策は、成功体験のある経営者自らが第一線を退くことである。
○成功者が100人いれば100通り、1万人いれば1万通りの成功要因が存在する。だが、失敗する要因は片手の指で数えられるぐらいしかない。失敗しない負けない方法は存在する。
○事業をする上で「勘」と「経験」と「度胸」のKKDは必要である。現在の経営者には、これに加えて「計数」が必要である。3KDが必須条件となっている。
事業上の数字は単なる数字ではない。「お金」である。数字には弱いと言う経営者がよくいるが、そのような経営者に限ってお金に困っている。
○仕事では「遅い」と言うことが最大の悪である。特別な期限がなされない場合は7日以内、一週間と言えば3日、3日と言えば1日、1日と言えば半日、今直ぐと言えば今直ぐである。他人の2倍・3倍の速さで仕事をする。これで一人前である。
○多くの経営者は「うちは特別」だと思ってる。でも、どこも特別ではなく、どこも他の企業と変わりない。経営は8割が基本で、どの業種・業態にも共通する。残りの2割が応用で、その企業の独自性なのだ。この応用のところで改善しようとするがうまくいかない。基本がおろそかだからだ。基本を改善すると、みるみると良くなる。
○「仕事は忙しい者に頼め」が原則だ。暇な者に頼むとロクなことがない。暇な者には工夫がない。企業も同じだろう!
○"座右の銘"は持ってますか?そう"モットー"なるものです。意外と持っていないものです。人生の規範であり仕事の規範になるものです。ここに志の高低が顕れるものです。こうなろう、こうしようの基準を持たなければ良い仕事は出来ません。
○業績の良くない企業の経営者は、従業員や取引先の悪さ加減をよく知っていて、なぜかその話題が多い。業績の良い企業はどこも仲が良いし、他人の責任にしない。自然と良いところに着目する。しかし、これも訓練すればできるようになる。
そうなると、業績が良くなる。何事も卵が先だろう!
○業績の良くない企業の経営者と従業員は、仕事の過程に注目する。そして出来ない言い訳を探す。まるで「Loseサークル」にはまったように抜け出せない。業績の良い企業のそれは、仕事の結果に注目する。何があっても仕事を達成することに意義を見出す。いったん、達成が癖になると「Winサークル」が回り出す。言い訳はもう聞かない、結果を出せ!
○責任には自責と他責がある。他責は自分では解決できない。しかし、業績の良くない企業は「環境とお客」の所為にする。これは他責だろう。自分で解決できないことに取り組んでいる。業績の良くない企業は、自責の解決策を持っていない。
○自社の業績が悪いのを、景気の所為にする経営者がよくいる。では、業績が良かったのも景気の所為で経営者の実力ではないことになるが?不況型倒産なんて無いのではないだろうか?突き詰めれば経営者の怠慢で放漫経営と言い切れる。